このたび、縁あってエネ研の小西先生の跡を継いで、第II期未踏科学ユニットの中の「持続可能社会創造ユニット」の後半を、ユニット長として担当することになりました。
本ユニットは、連携研究基盤の4つのユニットの中でも文理融合型という点で際立っており、学際研究の夢が詰まったユニットです。と同時に、理系と文系の研究の接点をどこに見出し、また具体的に何を持続させようとするのか、というプロジェクトの進め方にアイディアと知恵が求められるユニットです。
研究連携基盤の最大の売りは、京大内部に多数存在する各分野のトップクラスの研究機関を自在につなぎ、単独では解決できない難題に取り組むことができることです。これを実際に有効活用し、アイディアと知恵を出すためには、参画する研究所・センターの人々が集まり話し合う機会を一回でも多く増やし、自然に興味と必然性を感じたテーマについて、文字通り学際的に意見交換をして盛り上げ、共同研究を始めるのが理想的です。
化学を例にとって考えてみると、高機能な新材料が次々に開発される一方、思わぬところで突きつけられる環境問題や、規制対象にされた化合物に関する法律や政策に関する理解や対応も避けては通れません。これからの産学連携のカギは、こうした幅広い視野に立った材料設計が求められること、といってもよいでしょう。
このような課題をひとつのモデルケースとして掲げて、京大に内在する英知を集めて議論し、高効率に問題を克服することを狙って新しいユニット活動を始めます。自由な活動拠点ですので、材料、エネルギー、環境、ビッグデータ、政策、フィールドワークなどとつながって、学際研究の在り方そのものも模索しようと思います。
2022年4月吉日
ユニット長 長谷川 健
持続可能社会創造ユニットは2020年度、第2期の未踏科学ユニットの一つとして設立されました。生存基盤科学研究ユニット、グローバル生存基盤展開ユニットの伝統を引き継ぎ、さらに人類の持続可能な生存に向けた研究、新たな学術領域学際領域の開拓と、成果の社会実装を目指して独創的な学際研究を展開してまいります。
併せて、国際連携ネットワークの構築や外国人研究員の招へい、若手研究員の育成にも力を注ぎます。化学研究所、エネルギー理工学研究所、防災研究所、生存圏研究所、東南アジア地域研究研究所、地球環境学堂、経済研究所に各術情報メディアセンターを加え、現在参加部局は8部局になっています。
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